東京ディズニーシーで販売されている熊の縫いぐるみを巡って、騒動が起きている。新商品がネットオークションに出品され、定価の倍以上の値が付いているほか、素人が真似て作った「海賊版」も出回っており、運営会社のオリエンタルランドも困惑している。
この縫いぐるみはディズニー版のテディベアといった感じのもので、名前は「ダッフィー」。2004年12月にディズニーシー内で発売された。
店舗に長蛇の列、入手するのに6時間待ち
当初は「ディズニーベア」と、ありきたりな名前で呼ばれていたが翌05年に現在の名前が付けられた。「長い航海に出るミッキーに、ミニーが手作りのテディベア『ダッフィー』を渡した」というストーリー設定も登場。20~30代の女性の間で徐々に人気を集め、現在は東京ディズニーランドのある舞浜駅だけでなく、東京駅でもダッフィーを抱えた女性を見かけるという。
2010年1月22日、新商品が投入された。ダッフィーの女の子版の「シェリーメイ」という縫いぐるみで、発売日にはディズニーシー内の店舗に長蛇の列ができた。ネット上には「5時時間以上待った」「引っ張り合って腕が取れたシェリーメイを見た」といった書き込みがあり、人気沸騰ぶりが分かる。
現在、ヤフーオークションや携帯のモバオクでは、多数のシェリーメイが取引されている。発売直後のオークション履歴を見ると、
「1月22日発売♪ 現在お店に入るのに6時間待ちで即日完売する勢いの商品です」
という煽り文句が付き、定価3800円のシェリーメイが約1万円で落札されている。現在は5000円前後で落ち着いているものの、依然として出品は絶えていない。
そもそも、シェリーメイは期間限定商品といったプレミアが付くようなものではないオークションで購入するのは損なように見えるが、「ディズニーシーまでの交通費と入場料を考えると安い」という見方もあり、こうした転売がなくなるのは難しそうだ。
「シェリーメイ風ストラップ」に1万4000円
また、ほかにもダッフィー関係で取引されているのが、ダッフィーをまねて手作りされた「海賊版」だ。ダッフィーに似た縫いぐるみや、ダッフィーのプリントが入ったトートバッグなどで、ヤフーオークションを見ると「シェリーメイ風ストラップ」に1万4000円の高値が付いている。
多くはこのように「○○風」と名付けられているのだが、中には「ダッフィーハンドメイド」とそのままのものも。「○○風」も含め、これらは著作権法に違反する可能性があり、オリエンタルランド広報部も
「人気があるから起きることなので、ありがたいのですが、ちょっと困ります。個人で楽しむ範囲でなら対応しないのですが、販売して利益を得ているとなると考えなければいけません」
と困惑気味に話している。