入浴剤、ビール、燻製も簡単に作れる
従来、手作りが難しいと思われていた入浴剤も簡単に作れる。バンダイナムコグループのバンプレストが09年11月に発売した「バスボムメーカー」は、丸くて爆弾のように見えることから「バスボム」と呼ばれている入浴剤を自分で作れる玩具だ。
スーパーなどで手に入る重曹やクエン酸に抹茶やローズ、黒糖などを混ぜ合わせ、プレスするだけで簡単にバスボムができる。バスボム約4個分が作れる重曹600gとクエン酸300gが付いて、価格は4179円。
その日の気分に合わせて香りや色を変えられるし、店で売っているバスボムを買うよりもリーズナブルだ。広報担当者によると、20歳代後半~30歳代女性にうけがよく、品切れしている店もある。
手作りキットが豊富に揃うのは東急ハンズ。手作りの燻製が楽しめるキット「いぶし処 燻家(スモークハウス)」(1260円)は、ゆで卵やチーズ、ちくわなど好きな食材を簡単にいぶすことができるもので、アウトドアでのニーズが高い。手軽に「手づくりビール」が楽しめる道具と材料のセット「ホームブルワリー フルセット」(1万2705円)も30歳代後半以上の男性を中心に売れている。作るのに2~3週間かかるので、待ち時間も含めて楽しみたいという人に向いているそうだ。
オーブンで焼いて作る陶芸粘土「パジコ 手びねり入門セット」(1785円)は20~60歳代の幅広い層に人気が高い。「ろくろ」を使わず、粘土をこねて作るという手軽さがうけている。
こうしたひと手間かける商品が売れているようだ。この動向は最近、「セルフ消費」と呼ばれている。東急ハンズ広報担当者は、
「手作りキットの売れ行きがいいのは、節約志向の高まりやエコブームが影響していると思います。簡単なものであれば完成品を買うよりも安くなりますし、作ること自体を楽しめてお得です。節約しながらも暮らしを楽しもうというお客さまが増えているようですね」
といっている。逆に、節約でもエコでもない商品は売れなくなっているそうだ。