大相撲の横綱朝青龍が「暴行事件」の責任を取る形で引退を表明した。スポーツ紙やテレビ、ネットでは相撲界引退は当然だとし、バッシングが相次いでいる。しかし、それでも朝青龍の引退に異議を唱えたり、「被害者だ」として擁護したりする人も少なくない。例えば、楽天の三木谷浩史社長は、「結論ありきで引退を拙速に進めすぎた」と相撲協会批判とも取れるつぶやきを「ツイッター」で発信している。
とにかく朝青龍はトラブルまみれで、これほど横綱としての「品格」を問われ続けた力士はいなかった。夏巡業を休場してモンゴルでサッカーに興じ、出稽古ではプロレスまがいの技をかけて、けがを負わせる。土俵では対戦力士のまげを掴み横綱初の反則負け。ガッツポーズや睨み合いなどで何度も厳重注意を受けた。報道陣に対しても「死ね! このヤロー!」と言ったという騒動も起こした。その度に「引退」「解雇」などの文字が躍った。
「やんちゃをマネージメントできない日本はダメになる」
しかし、誰もが朝青龍を嫌い、引退を喜んでいるわけでもない。擁護したり、同情したり、引退を惜んだりする人もいる。
楽天の三木谷社長は10年2月5日に「ツイッター」で、
「どんな人間が彼を引退に追い込んだか、みなさんもそれを考えて欲しい」
とつぶやいた。暴行事件が起こった経緯と事情をしっかりと調査しなければならないのに、今回は結論ありきで「引退」を拙速に進めすぎた。ジョンマッケンローを追放しなかったウィンブルドンの例もあり、もう少し優しさと寛大さがあれば、違った結果になったというのである。
「ああいうやんちゃをうまくマネージできないと日本は駄目になる」
とつぶやいている。
ホリエモンこと堀江貴文さんは10年2月5日付けのブログで、朝青龍が引退し相撲も寂しくなる、と書いた。そして、日本人力士のヒーローがほしいと言う人に、
「他の国からきてくれた横綱をみんなでよってたかって虐めるような相撲界に自分から入っていこうなんて思う奴がどれくらいいるだろうかね?」
と疑問を投げかけた。完全無欠の品行方正を求められても面倒くさくてやってられない、と思うのが普通で「報道する側や相撲関係者も、素行の悪さをある程度見許してやらないと、いつまでたっても つまらんやつしか相撲界には入っていかないだろうな」 と感想を述べている。