売り上げ好調のマクドナルドは「本場アメリカンテイスト」を全面に打ち出した4種類のハンバーガーを順次期間限定販売している。その第1弾「テキサスバーガー」は販売予測を大きく上回るヒットとなった。マックは以前にもこうした期間限定商品を相次いで販売し、成功させている。そうした背景にはどんな狙い、戦略があったのか。
テキサスバーガーは2010年1月15日に発売された。肉厚な100%ビーフパティに、フライドオニオンとスモーキーベーコンをのせ、スパイシーなバーベキューソースで味付けしている。本場アメリカ風の味付けと、通常の2.5倍のボリューミーなビーフがうけたのか、発売4日間での販売数はなんと「413万食」。空前の「メガブーム」を巻き起こした07年の「メガマック」でさえ同期間で「332万食」だったというから、群を抜く数字であることが分かる。
あまりの売れ行きに食材の供給が追いつかず
発売3日目の10年1月17日の全店売上高は28億1180万円を記録。これは09年3月の26億4000万円を塗り替え、1971年の日本マクドナルド創業以来の最高記録だという。
「予想をはるかに越える反響でした」と話すのは、日本マクドナルド・マーケティング本部の大内めぐみさん。あまりの売れ行きにフライドオニオンやソースなどの供給が追いつかず、各店で数量を限定して販売せざるを得なくなった。ところが、その「レア感」がさらに人気に拍車をかけたらしい。販売期間中は多くのブログで、「いつも売り切れていてなかなか買えません」「今日やっとテキサスバーガー食べました!」といった記述が見られていた。
そして5日から「Big America」シリーズ第2弾の「ニューヨークバーガー」が発売開始。テキサスバーガーの売れ行きを参考に、資材の供給を当初予定より増強した。また、野性的な「テキサスバーガー」とは一転、レタスやトマトなどの生野菜がたっぷり。通常のチーズよりミルキーなモントレージャックチーズも加わって、都会的なハンバーガーに仕上げたという。