なぜ小沢氏「不起訴」なのか 「秘書の壁」に阻まれる?

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有罪を獲得できる絶対の自信がなければ起訴しない

   「公判を維持できるかどうか」というのが、一つのポイントだ。「精密司法」という言葉があるように、日本の検察は有罪を獲得できる絶対の自信がなければ起訴しない傾向がある。元検事の大澤孝征弁護士もテレビ朝日の情報番組「スーパーモーニング」で

「私は『120%有罪の見込みがなければ起訴するな』という指導を受けた。公判に行くといろいろなことから証拠の価値が減殺されるので、有罪を100%取るためには120%ぐらいの証拠がなければだめなんだということ。どうしてもそれに足りるだけの証拠がないということになれば、やむをえない」

と証拠の重要性を語った。

   今回の事件で、小沢氏の関与を裏付ける証拠となりうるのは、(1)元秘書らの供述(2)小沢氏本人の供述(3)指示書やメールなどの物的証拠の3点といえるが、いずれも弱いと判断されたようだ。

   元秘書らの供述については、「小沢氏が収支報告書への不記載について了承していた」と石川議員が供述したという一部報道もあったが、担当弁護士や事務所は「そのような供述はしていない」と否定している。また、小沢氏本人の供述についても、若狭勝・元東京地検特捜部副部長が

「2度目の事情聴取でも、特捜部の描いているような話は得ることができなかった。その時点で、不自然な点は多々あるけれど、起訴して有罪にいたるまでの証拠関係としては弱いという結論になった」(テレビ朝日「スーパーモーニング」)

と分析している。

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