高速無料「恩恵は地方だけ」 都市住民には実質値上げ?

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無料路線の出入り口付近は渋滞?

   このほかの問題としては、沖縄は全線が無料化され、北陸地方は無料路線がないなどの、地域のアンバランスも指摘されている。さらに、無料・有料路線が飛び飛びに現れてETC以外では利用しにくい、無料路線の出入り口付近は渋滞するのではないか、といった懸念が出ている。

   無料路線が点在化したことについて、国交省の有料道路課では、「渋滞が起きにくい路線で、他の交通機関への影響を考えるなどしました」と説明する。報道では、国民の反対が多く、予算が6分の1に削られた影響もあるとされている。

   一律料金制度については、同課は、「検討メニューの一つということで、割引のことも検討中です」とだけ言う。地域のアンバランスなどについては、「沖縄は、渋滞する主要路線がないのに対し、北陸は、北陸道という幹線道路があります。無料路線と有料路線との接続問題は、検討中です」と説明している。

   ツーリズム・マーケティング研究所の田中靖主任研究員は、次のように指摘する。

「無料化で、場所によっては、地域の商圏が変わる経済効果があると思います。例えば、日本海の舞鶴湾地域の人たちは山陰本線で京都に出かけていましたが、今後は高速を使って神戸に行く人も増えるでしょう。しかし、新湘南バイパスなどの無料化は、地元の人は恩恵を受けても、都心からは高速料金がかかるので、飛躍的に利用は伸びないでしょう。社会実験で、大都市からの観光需要を見るとすれば、限定的な効果しか分からないと思います」
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