iPodなどで聴くための米アップル社の音楽配信サイトiTunes Storeに、人気女性ユニットPerfumeのアルバムが違法にアップロードされていることが分かった。契約業者を通じてインディーズ系などもサイトにアップできるだけに、何らかの抜け道があった可能性が出ている。
iTunes Storeで「Perfume」と検索する。すると、2008年4月16日発売のアルバム「GAME」のジャケット写真とともに、曲名リストがずらりと並んで現れた。
インディーズ系などになりすまし?
なぜPerfumeのアルバムが…
アルバムは、1500円、各曲は150円で購入できた。ここは通常のアルバムと同じだが、よく見ると、次々に不審な点が見つかったのだ。
まず、1曲目の大ヒット曲「ポリリズム」がない。アルバムより1曲少ない11曲だ。曲名も、「Baby」がなぜか「Naby」になっていたりする。レコード会社は、徳間ジャパンコミュニケーションズだが、コピーライト表記は「ツクマジャパン」になっている。すべてが英語表記の点もおかしい。
ネット上で、こうした不審点が話題になると、徳間ジャパンは2010年1月31日、Perfumeの公式サイト上で注意を呼びかけた。iTunesの音源は違法にアップロードされたもので、同社とは一切関係がないというのだ。原因については、調査中だとしている。
そもそも、Perfumeは、iTunesには曲を配信していない。配信は、米アップル社と契約した業者しかできないはずだが、なぜこんな違法のものがアップされてしまったのか。
国内外では、米アップル社と契約して、無名のインディーズ系や一般の音楽愛好者の作品を紹介している業者もいくつかある。英語でアップされていたため、海外の業者が、Perfumeのアルバムとは気づかず、なんらかの個人や企業のなりすましを見逃してしまったのだろうか。
iTunes正規配信を望む声も多数
こうした点について、アップルジャパンの広報部では、まだ分からないという。取材に対し、「確認中です」とだけコメントしている。
Perfume所属事務所のアミューズも、詳細が分からないというが、「徳間さんがアメリカのアップル社にアップロードの取り下げを求め、購入不可になったと聞いています」とした。今後、法的な措置も取られる見込みだという。
iTunesのアルバムレビュー欄には、日本のファンから10件ほどの書き込みがあり、Perfumeの音源を勝手に使ったことへの批判がつづられている。一方で、なぜ日本でもポピュラーなiTunesに彼女らの曲がないのか疑問の声も多数出ている。「こういう違法な形でなく、1日も早い正規の配信開始を期待しています」といった書き込みだ。
アミューズでは、PerfumeがiTunesに配信していない理由については、明らかにしていない。所属ミュージシャンが配信していないソニー・ミュージックエンタテインメントでは、「あくまでもビジネス上の理由ですが、双方でずっと合意に向けての話し合いが続いています」と説明している。