テレビ接続用パソコン 映像見るためだけで買うのか

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「テレビ接続型PC」は失敗の連続

   ディスプレーメーカー・ナナオ(本社・石川)に聞くと、テレビは映像を鮮やかに映すのが目的だが、PCモニターは細かい要素を正確に表示することを重点に置いているという。そのためPCをテレビに接続した場合、長時間にわたって小さな文字を読むなどの作業を続けると、目の疲労が激しくなる。「同じ30インチ型でも、PCモニターは細かな表示を可能にするため薄型テレビより解像度が高い」と同社では説明する。

   「リビングにあるテレビとPCを接続するケースが増えるとは考えにくい」と話すのは、ディスプレー産業の調査会社ディスプレイサーチのIT&FPDアナリスト・氷室英利氏。PCの主な用途は、個人的なコミュニケーションツールであり、家族が集まるリビングのテレビに表示するのはそぐわない、というのだ。

   実際、「テレビ接続型PC」は失敗の連続のようだ。氷室氏は「数年前、NECや富士通が大型テレビパネルを搭載したチューナー内蔵一体型PCを発売しましたが、あっという間に市場から消えました」と言う。ソニーやシャープも類似の製品を出しているが、大ヒット商品になっているとは言いがたい。個人向けと言われる、モニター用の液晶パネルを使った20インチ型などの小型テレビもあるが、一般のPCモニターより割高なこともあり、それほど売れていない。

   ネット経由で有料動画が配信できたとしても、市場自体が成長しておらず、「動画が楽しめるというだけでリビングにPCが置かれることはない」と氷室氏は断言する。

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