中国人客呼び込みにあの手この手 「がん検診」と観光のセットも登場

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周囲に知られたくないので日本に来たい

   一方、ユニークな試みを計画しているのが長崎県だ。医療と観光を組み合わせたツアー「メディカル・ツーリズム」を検討している。日本では比較的馴染みが薄いが、欧米では注目されつつある手法という。まだ実験段階だが2010年1月29日、モニターツアーが行われる。上海の旅行代理店が参加者を募り、10人程度が来日する予定となっている。

   具体的には今回、3泊4日のうちの一日は西諌早病院で過ごす。そこで、がんの早期発見に役立つ最先端の画像診断PETやCT検査などで「がん検診」が行われる。その結果は中国人医師により、すぐさま伝えられる。そして残りの日程で、長崎市や島原市内を観光する。

   この取り組みは、長崎市内で在中国日本企業向けのメンタルヘルスを手がけている産学連携企業「アンドメンタル」が中心となり、長崎市や長崎国際観光コンペンション協会などと協力して行なっている。「アンドメンタル」の鶴田祐二さんは、こう話す。

「中国人の話を聞いてみると、癌や脳のことが心配だと話している人が多い。ただ、周囲に知られたくないという人もいます。そこで自国で検診を受ける代わりに日本に来たい、というわけです。日本の医療への信頼も勿論あります。長崎の観光活性化のために、2010年度には事業化したいと考えています。中国から近い立地条件が幸いして、将来は九州全体にも広がると期待が持てます」
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