米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題で、鹿児島県・徳之島が候補地になっていたことがわかった。徳之島の3町長は平野博文官房長官との面会を打診され、「会えば移設受け入れを検討していると誤解されかねない」とし、2010年1月27日に正式な断りの返答をした。徳之島の伊仙町では、市民団体による移設受け入れ反対の決起集会が開かれた。
徳之島は奄美群島にある奄美大島に次ぐ大きさがあり、周囲89キロメートル。面積248平方キロメートル。人口は約2万6000人で、徳之島町、天城町、伊仙町の3つの町がある。アマミノクロウサギの生息地で知られる自然豊かな島で長寿の島としても有名。闘牛大会や、トライアスロン、ダイビングなどのスポーツが盛んだ。2000メートルの滑走路を持つ徳之島空港がある。
米軍が求めている3000メートル級の滑走路作れない
徳之島が米軍普天間飛行場移設の候補地になっていたことがわかったのは2010年1月27日。南日本新聞(10年1月28日)によると、民主党の牧野聖修衆院議員(静岡1区)が、徳之島出身の静岡県在住者から基地移設を持ちかけられ、09年10月以降、同島を三回訪れた。10年1月25日に天城町役場で、高岡秀規徳之島町長、大久幸助天城町長、大久保明伊仙町長と面談し、「平野博文官房長官に会ってほしい」と要請したが、翌日に大久町長が代表して「官房長官とは会わない」と電話で返答した。
大久保町長によれば、今回の移設受け入れの打診は降って湧いたような話。徳之島が候補に上がった理由は、まず、沖縄県以外の県であること。そして、沖縄に近く、嘉手納基地と連動できる距離にあることなどではないか、と推測する。しかし、米軍が求めている3000メートル級の滑走路が作れる土地ではなく受け入れは不可能だと説明する。