「連結決算」がないと全体の資金の流れ把握は困難
新聞報道によれば、土地取引についての複雑な取引の一部が虚偽記載であるので、政治資金収支報告書のコピーをみても、適正な報告書であるかどうかは素人にはなかなか分からない。ただし、小沢氏の陸山会以外の資金管理団体の政治資金収支報告書もあるが、陸山会のものを見ると、不動産取引がやたらと多いのが目につく。
それと、陸山会に限らないが、このほかに陸山会と同じ住所のいくつかの政治団体があり、その間で複雑な資金のやり取りが行われている。こうしたものは、企業財務でいうところの「連結決算」がないと、一目でなかなか全体の資金の流れを把握するのは困難である。
いずれにしても、こうした政治資金がディスクローズされているわけで、国民はそれらをよく見て政治家を選ばなければいけない。その判断の前提は政治資金収支報告書が正しく記載されていることであり、もしその虚偽記載があれば、それは司法の場でも有価証券報告書における粉飾決算と同じように扱われるべきであろう。
小沢問題のために、昨09年12月24日、鳩山首相の元秘書が在宅起訴されたことを忘れてしまいそうになるが、これも政治資金規正法違反の罪だった。