高橋洋一の民主党ウォッチ
政治資金の虚偽記載 会社で言えば粉飾決算だ

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   連日新聞報道は「小沢問題」でもちきりだ。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引に関する問題だ。ただし、地検が解明しようとしているのは、政治・道議的な問題ではなく、政治資金規正法違反かどうかである。

   これについて、賛否両論がある。大手マスコミは小沢氏を批判する論調が多いが、ネットでは検察のリークに踊るマスコミや検察の強引さを指摘しているのが目立つ。もちろん、法律問題であるので、最後は司法の場で決着せざるを得ない。なお司法の場にさえ行かないときには法的には何もなかったと見ざるをえない。

賄賂摘発の困難化が背景にある

   法律問題を部外者が議論するときに、しばしばその法律に対する思い込みが結論を分けることも多い。そこで、まず、今問題になっている政治資金規正法を振り返っておこう。政治資金規正法は、その目的として「政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の接受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保」となっており、米国政治腐敗行為防止法をモデルとして1948年に制定された。

   政治資金が問題になった時に、これまでは刑法の賄賂罪で立件することが多かった。たしかに、賄賂という言葉からいって、賄賂罪のほうがしっくりいくのは確かだ。その反面、政治資金規正法は、単に収支報告書を出せばよく、しばしばその修正もよく行われるので、その違反は形式的とみなす風潮もあった。

   一方、賄賂罪の場合、職務権限の有無の立証が困難になることも多い。しかも、政権交代が日常的になると、ますますその傾向が強くなるだろう。となると、検察は、あらたな「武器」が必要になるだろう。この観点からみれば、政治資金規正法によって政治資金をギリギリ調べることは当然の流れということになる。

   しかしながら、政治資金は本来賄賂罪の適用が筋で、政治資金規正法では生ぬるいとか、政治資金規正法は形式犯なのに、逮捕まではやり過ぎという見方もあるだろう。となると、今回の元秘書の国会議員や秘書の逮捕というのは、これまでにない強権発動にも見えるだろう。

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