西武有楽町店閉鎖 後継テナントいるのか

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   百貨店業界の売り上げの落ち込みに歯止めがかからない中、どの百貨店グループも続々と不採算店舗の閉鎖を進めている。1等地にある店舗が閉鎖され「繁華街が寂しくなった」というケースも目立つ。その中でもとりわけ注目されるのが、西武有楽町店の年内閉鎖だ。跡地はどうなってしまうのだろうか。過去の百貨店撤退の事例から、その行方を探ってみた。

   西武有楽町店は朝日新聞の東京本社の跡地を再開発して出来た「有楽町マリオン」(有楽町センタービル)に1984年に出店。98年には「ファッション館」を増床するなど、働く女性向けの店舗を展開したが、ここ5年ほどの銀座地区のカジュアル衣料品店の台頭で売り上げは伸び悩み、家賃も高額だったことから、閉鎖に追い込まれた。

新宿後継テナントは「ユニクロ」と「ユザワヤ」

   西武有楽町店以外でも、ここ1年ほどで都市中心部での有名店舗撤退が目立つ。例えば新宿を見ただけでも、西口に隣接していた家電量販店「さくらや」(売り場面積約1900平方メートル)が08年いっぱいで撤退。09年8月末には、高島屋新宿店に入居していたベスト電器(売り場面積約2300平方メートル)も撤退。駅前の光景が大きく変わった形だ。

   これらの店舗に後継テナントになったのは、それぞれ衣料品店「ユニクロ」と手芸用品専門店「ユザワヤ」。いずれも、「節約志向」や「割安感」を売りにした店舗だ。

   首都圏以外に目を転じても、「町並みが様変わり」するケースは多い。例えば09年8月末には、赤字が続いていた、そごう心斎橋本店(売り場面積約4万平方メートル)が閉店。大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングに対して379億円で売却され、店舗は隣接する大丸心斎橋店と一体化する形で09年11月に再オープンしていた。不採算店の処分を迫られていたそごう側と、心斎橋地区での増床を望んでいた大丸側との思惑が一致した形だ。

   だが、いつでも買い手がつく訳ではない。09年9月末に閉店した西武百貨店の札幌店についても、閉店から3か月以上経っても売却先が決まっておらず、地域経済に対する影響を懸念する声があがっている。また、小倉そごう(北九州市)の跡地に04年2月に開業した小倉伊勢丹も、わずか4年後の08年3月に閉店。小倉伊勢丹に出資していた地場デパートの井筒屋が「コレット井筒屋」として運営を引き継いだものの、迷走状態なのは否めない。

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