24時間以内に過半数の患者が平熱に回復
臨床試験では、成人の場合は治療開始(1回の投与)から24時間以内に過半数の患者が平熱に回復するなど、タミフルよりも早く効果が表れた。治るまで毎日服用しなければならない経口薬などは、快方に向かうと飲み忘れることも多いのに対して、点滴剤であればそのようなことがなく、確実な効果が期待できる。
「ラピアクタ」のもう一つのメリットは、小児にもよく効き、しかも副作用が少ないことだ。シオノギが小児(2~15歳)約100例を対象に新型インフルエンザに対する効果を調べたところ、薬を投与して平熱に回復するまでの時間は平均約20時間。成人よりも約10時間短く、より早く効くことがわかった。副作用の発現率は27.6%だったが、下痢や嘔吐などの消化器症状が主で、いまのところ投与による小児の「異常行動」も現れていないという。
小児用についてはまだ未認可で、シオノギは年度内に追加申請する方針だ。