「全面禁煙化」に抵抗する 和歌山県タクシー協会の言い分

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   全国的に「禁煙タクシー」が広がっている。2007年6月の大分を皮切りに、東京も08年1月からほぼすべての車両が全面禁煙となった。一方で、取り組みが遅れていた大阪では2009年、橋下徹府知事名による全面禁煙化の依頼文書が、府内の主要タクシー協会に出された。大阪以外でも、いまだに「禁煙車率1%台」の自治体が見られる。

   大阪府では09年12月時点で、府内4カ所の主要タクシー協会が保有する一般車1万9126台のうち、終日禁煙を実施しているのは1228台。全体の6.4%にとどまった。

大分は「トップダウン」で禁煙化開始

   府民からはタクシー全面禁煙化を求める声が高まっており、また受動喫煙を防ぐ観点から、府は同11~12月にかけて、橋下知事名による全面禁煙化の依頼書を4協会に対して次々に送付した。府としては早期に実現したいところだが、4協会から今のところ特に反応はないという。

   禁煙運動に取り組むたばこ問題情報センター代表・渡辺文学氏によると、タクシー全面禁煙化を実施、あるいは決定していないのは、大阪を含めて8道府県(09年10月時点)。健康増進法第25条には受動喫煙防止に関する定めがあり、03年4月30日付け厚生労働省健康局長名で各自治体首長に出された文書によると、タクシー車両も同条の対象施設と位置づけられている。しかし罰則規定がなく、実際には自治体側が「お願い」してタクシー協会の自主規制に委ねるしかない。

   渡辺氏は「最も早く全面禁煙化に踏み切った大分県は、タクシー協会会長が『禁煙にしましょう』とリーダーシップを発揮したのが大きかった」と話す。逆に協会トップが乗り気でないと、禁煙化も進まないということらしい。協会の努力に加えて「厚労省が受動喫煙問題をもっと深刻に受け止めて、主導的な役割を果たしてもらいたい」と注文を付ける。

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