タバコの「マイルドセブン」にココアが入っているーー日本たばこ(JT)の公式ホームページにそんな記載が見つかった、とネットで話題になっている。なぜココアなのだろうか。
JTのホームページにはタバコ各銘柄の「銘柄別主要添加物リスト」があり、「マイルドセブン・スーパーライト」、「マイルドセブン・アクア・メンソール」など「マイルドセブン」シリーズにはココアが含まれている、とある。その他にもハチミツや、プラムエキストラクト果汁も使われている。「セブンスター」にはプルーン果汁、メープルシロップが使われている。
ラム酒やバニラ、ハチミツも使われている
JT広報によれば、添加物としてこうした「食品」が使われるのは、タバコの味や香りを整えるため。タバコは数十種類の葉たばこをブレンドし各銘柄の特徴を出すが、葉たばこの香りや味に独特の「くせ」があり、その「くせ」を消し、より美味しくするために香料が必要になる。ちなみに、味や香りを整えるために使われるのがココア、カンゾウ、糖類など。銘柄の特徴を出すため仕上げに使われるのがメンソール、ラム酒、バニラなどだそうだ。
「たばこと塩の博物館」(東京都渋谷区)によれば、日本に紙巻きタバコ(シガレット)が登場したのが明治時代。フィルターの無い両切りタバコと、吸い口が筒のようになっている口付きタバコだった。それまで日本では、葉タバコをキセルで吸っていた。紙巻きタバコはモダンだと急速に普及したものの、キセルに比べ紙巻きタバコは、葉たばこが口に近いために刺激が強すぎた。当時のアメリカでは味をマイルドにするため葉たばこに砂糖が使われるなどしていた。日本もそれに倣い、タバコをマイルドにするため、日本人好みの味を工夫するため、ココアやハチミツなどを用いるようになったのだろう、と「たばこと塩の博物館」では説明している。