35歳で年収300万以下 団塊ジュニアの苦難続き人生

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「とにかく今の仕事を手放すな、としか今は言えません」

   それでも、仕事があるうちはまだマシと言えそうだ。最近は一度仕事を失うと、正社員はもちろん派遣社員としても勤め先が見つからない。派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、「30代半ばの男性で、日雇い派遣。最近は仕事がほとんど入らなくなり、ほぼ無収入になっている例があります」という。非正規労働者の再就職支援機関として2009年2月に設立された東京キャリアアップハローワークに聞くと、数値的な統計がないため「年収300万以下」がどこまで一般的になったかは分からないとしながらも「派遣社員など非正規労働者が増える中で、平均賃金も下がっているだろう」と話した。

   失業、再就職先が見つからない、生活が成り立たない――。関根氏のもとへ寄せられる相談は1日10件ほどで、増える傾向にある。「仕事に就いている人は、とにかく今の仕事を手放すな、としか今は言えません」と、関根氏はため息をつく。

   連合総研が2009年10月に発表した「勤労者短観」によると、1年前と比べて収入が減ったと答えた正社員は全体の37.1%だが、30代正社員に限ると男性は44.3%、女性は45.8%に上がる。「運よく」正社員でい続けても、現状のままでは一時金だけでなく、給与「本体」も減らされる正社員が増えるだろうと、前述の連合総研・龍井副所長は指摘する。「ボーナスカットされた正社員が、ローン苦から食費や教育費まで切り詰めるなど、限界がきています。今のままでは自己防衛できません。一刻も早く政府が有効な対策を打つしか方法がないでしょう」と話している。

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