30歳未満には酒も女もネットも禁止にする条例案を愛知県が出した、という情報が流れ、一時ネットが騒然となった。県が2010年1月20日に発表した青少年の健全育成に関する文書が騒動の発端で、県に質問や抗議が多数寄せられた。担当部署は「誤解を生んでいる可能性があり、該当文書の補足説明を追加したい」、としている。
ネットで話題になったのは「あいち子ども・若者育成計画2010(仮称)(案)」。青少年の健全育成を行うための案で、ここでの子ども・若者の範囲は、「0歳からおおむね30歳未満」、社会的自立が困難な30代も含まれる、という。
「マジか? 正気か? 愛知から人が居なくなるぞ」
「あいち子ども・若者育成計画」で最も批判を浴びたのが、未成年と20代30代を同列で扱っているのではないか、という点。「子ども・若者を取り巻く社会環境の健全化」の欄には、
「子どもや若者の判断力を向上させる教育や、保護者の理解を深める啓発が必要だ」
という提言がある。理由は、残酷な暴力シーンや露骨な性描写のある雑誌やゲームソフトが氾濫しているほか、出会い系などネットに有害情報が流れているため、携帯電話等のフィルタリングを強化することが必要、などと書かれている。
また、青少年の健全育成を進めるためとして、
「知事を本部長とし、県の各部局、教育委員会、警察本部により組織している愛知県青少年育成推進本部を中心に、全庁的な取組体制の下、連絡調整を密にして、計画を推進していきます」
などという表記がある。
こうしたことが「30歳未満には酒も女もネットも禁止にする条例案を出した」などと騒がれる発端になった。掲示板「2ちゃんねる」には複数のスレッドが立ち、
「マジか?これ 正気か? 愛知から人が居なくなるぞ」
「30までネット禁止なのかよwwww 」
「欲求を抑えつけて生きることになるのか。間違いなく犯罪増加するわ」
「愛知ざまああああああああwwwwww」
といった書き込みが出た。
「補足説明する文章を掲載したい」
今回の計画を策定し、県民から意見を募集している愛知県県民生活部社会活動推進課には「いったいどういうことなんだ?」といった問い合わせや抗議が殺到しているのだという。同課によれば、今回の計画案は県民に意見を求めるための叩き台にすぎず、規制を掛けようという狙いなど全くない、と説明した。
「あくまで青少年を守り、健全に育成するためにはどうすればいいか、というアイディアの募集で、県民みんなで自立を支援していきましょうという呼び掛けなのです」
と、ネットでの騒動に首を傾げる。子ども・若者の範囲を「0歳からおおむね30歳未満」とは書いたのも、単なる定義で、計画案にも「年齢を段階的に別け育成の方法を変えていく」などと記しているように、当然、一律ではなく、年齢によって成長してもらうためのアドバイスは異なってくる、という。むろん子供の酒、たばこは禁止だが、大人は違い、年齢の区分け方が誤解を生んだというわけだ。そして、
「県民から意見を頂くための前提が違った形で伝わっていることを反省し、計画案の説明を補足する文章を掲載する措置を取りたいと思います」
と話している。