「根拠もなく記事の信頼性に傷を付けようという発言」
産経新聞は、このやりとりを
「小沢氏擁護ともとれる質疑は一瞬にして終わった」
「民主党内では検察側が報道機関に情報をリークしているとの批判が高まっており、『捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム』を発足させているが、党内の暴走は止まらないようだ」
と冷ややかに報じる一方、矛先を向けられた形の読売新聞の反応も素早かった。
同日の夕刊には、政治部次長の署名入りで「捜査へのけん制 報道規制の恐れ」との解説記事が掲載され、伴野議員が誤報の可能性を指摘したことについて
「もちろん読売新聞は確かな取材に基づいて報じている。根拠もなく記事の信頼性に傷を付けようという発言は、どう喝にも等しい」
と発言を非難。さらに、民主党内で検察・マスコミ批判の動きが強まっていることについても、
「政権与党としての責任感やバランスに欠けた一連の動きを見過ごす鳩山首相(党代表)の責任は大きい」
などと、鳩山首相をも批判した。さらに同紙は翌1月22日の政治面では、「民主 言動過熱」という見出しで、一連の報道批判の動きを紹介。
「政府関係者や与党幹部が個別の捜査に言及すれば、適正で中立な捜査に対する圧力となりかねない。報道の規制は、憲法に明記された言論に自由を侵すことに直結する。1999年には、中村正三郎法相(当時)が法務省刑事局長に捜査を指示したなどの問題が追及され、辞任に追い込まれたケースがある」
と、改めて政権批判を展開した。また、同日の朝日新聞も、「検察がメディアに対して情報をリークし、情報操作している」との見方に反論する特集を掲載している。そのタイトルは「検察・報道批判 危うい民主」と、やはり民主党に批判的なものだ。一連の問題については朝日、読売に限らず、テレビも含め大手マスコミは例外なく民主党に厳しい。
前出の読売新聞記事が誤報かどうかは現段階では明らかではないものの、民主党とメディアとの溝は、深まる一方だ。