「高コスト体質」脱却戦略 日本航空はスカイマークに学べ

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   日本航空(JAL)の経営破たんばかりがクローズアップされがちな国内の航空業界だが、実は新興航空会社が意外な頑張りを見せている。特に1998年に参入したスカイマークは、業界内の需要が落ち込むなか、年末年始には大手2社とは違って乗客数を伸ばしており、2009年秋には、業績予想を上方修正すらしている。好調の理由はどこにあるのか。

   08年頃に深刻化した原油価格の高騰が一段落し、燃油サーチャージも一時的に廃止されるなど、航空業界を取り巻く環境は「雪解け」にも見える。

きめ細かく料金設定し、割安感が支持された

スカイマークはボーイング737-800型機を12機運航している
スカイマークはボーイング737-800型機を12機運航している

   ただし、この年末年始を見る限り、大手2社は苦戦している様子だ。両社の09年12月25日~10年1月5日の国内線の利用実績は、日本航空(JAL)が前年同期比7.0%減の132万7578人、全日空(ANA)が同5.4%減の134万5349人。両社は伸び悩みの理由を「大雪・強風などで欠航が相次いだ」などと分析している。

   ところが、新興航空会社の中では比較的「古株」のスカイマークは対照的で、7.2%増の11万7951人。かなり好調な様子だ。「大雪・強風」という悪条件はスカイマークにも共通しているはずだが、スカイマークの営業推進部・広報担当は

「機材が(定員が少ない)ボーイング737-800型機になり、提供座席数は減っています。ですが、08年には乗員の(病気で退職して欠員が発生した)問題で欠航便があったのですが、09年は正常に運航できた分、乗客数も伸びたのでは。それに、割引運賃を細かく設定したことが支持されたのではないでしょうか。特にご家族連れは、搭乗日直前まで、数百円単位で(運賃を)細かくチェックしておられます」

   と話し、(1)08年とは違ってトラブルがなかった(2)きめ細かく料金を設定し、割安感が支持された、という2点を好調の理由として挙げている。

   年末年始に限らず、同社の業績は上向きのようだ。09年10月29日には、2010年3月期(09年4月1日~10年3月31日)の業績予想を引き上げている。売上高は400億円から410億円に2.5%引き上げる一方、営業利益は21億円から31億円に、実に47.6%も上方修正している。

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