原口総務相は「いまある法律は、私たちも守らないといけない」
一方、原口総務相は会談後の会見で
「私たちは住基ネットの廃止法案を4回にわたって出してきた政権だから、その立場で事務方にも指示している」
と河村市長の主張に理解を示しつつも、
「いまある法律は、私たちも守らないといけない。その前提のなかで議論を進めていきたい」
と名古屋市の離脱をすぐに認めるわけではないという姿勢を示した。
住基ネットをめぐっては、プライバシー保護などを理由に接続に反対する動きがあり、東京都国立市と福島県矢祭町は住基ネットへの「非接続」を続けている。東京都杉並区も当初は住基ネットに接続せず、国に「区民選択方式」を求める訴訟を起こしたが、敗訴が確定。09年1月から接続するようになった。国立市と矢祭町に対しても、総務省が是正を求めている。
河村市長の「離脱表明」はこのような動きに逆らうものだが、もし名古屋市が住基ネットから離脱すれば他の自治体にも波及する可能性がある。地方自治を専門とするフリーライターの小川裕夫さんは
「これまで反対の声を上げた自治体は少ないが、名古屋市のような大きな市が離脱すれば、追随するところも出てくるだろう。河村市長は原口大臣との会談後に『国立市や矢祭町とも連絡を取りたい』と言っており、今後の展開に注目したい」
と話している。