2009年の投資信託は、新興国の株式などに投資する「新興国投信」が好調だった。リーマン・ショック後の世界的な金融危機の影響で損失を抱え、投資を控えていた個人投資家が市場の回復を見込んで、比較的リスクの高い新興国投信などに投資する動きが目立った。その一方で、分散投資でリスクを抑えたバランス型投信の資金は減った。
投資信託協会が発表した09年の投信概況によると、公募投信全体の純資産残高(09年12月末)は61兆3699億円となった。前年末に比べて9兆2236億円増加。このうち、株価上昇などによる運用益が6兆2698億円に膨らんだ。
また、株式投信の09年の設定額は、前年比3兆1679億円増の17兆7446億円。これに対して解約額は14兆5379億円(同2兆5097億円増)、償還額は1610億円で、株式投信は3兆456億円の資金純増となった。株式投信の純資産総額は前年末に比べて9兆3164億円(うち、運用増は6兆2708億円)で、09年末には50兆1584億円になった。