個人投資家に最も魅力ある通貨は「豪ドル」

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   個人投資家が魅力に感じている通貨は「オーストラリアドル」――。野村証券金融経済研究所の「ノムラ個人投資家サーベイ」(2010年1月)によると、「最も魅力のある通貨」について聞いたところ、豪ドルがトップ、次いで中国元、ユーロ、ブラジルレアルと続いた。一方、「魅力的とは思えない通貨」は米ドル、日本円、英ポンドの順だった。

   豪ドルが注目されることについて、野村証券は「納得です」(投資情報部)という。「資源国や新興国通貨が人気ですが、米ドルや円のように、成長性に乏しい先進国の通貨に、魅力はありません」と話す。

ダントツ人気の豪ドル

 

   調査は1000人の回答者に、9つの通貨から「最も投資魅力がある通貨」と「投資魅力があるとは思えない通貨」を1つずつ選択してもらった。前者の回答比率から後者の回答比率を差し引いたDIで示すと、豪ドルはプラス20.0で、第2位の中国元のプラス6.1を、13.9ポイントの大差で引き離してダントツの1位だった。

   豪ドルが人気の理由は、中国をはじめ世界的に資源に対する需要が強くなったことから、資源輸出国の豪州経済はいち早く景気が回復基調に転じ、09年10~12月の3か月連続で政策金利を引き上げたことがある。いわゆる「高金利通貨」だからだ。

   さらに、外国為替証拠金(FX)取引のNTTスマートトレードの工藤隆・市場情報部長は、「豪ドルが堅調な背景は、豪ドルの流動性が高く、M&Aや貿易など実態に即した通貨需給によるところが大きいので、暴落する可能性が少ないからと思われます」と指摘する。

   景気に薄日がさしてきた先進国や新興国だが、そのほとんどは財政出動と金融緩和策が当面続くとみられる。とくに「二番底」が懸念される中で、09年秋にデフレを宣言した日本は当面、低金利政策を続行せざるを得ない。そのため、「相対的に金利の高い豪州と、低い日本の金利差はさらに広がることが予想され、当面、豪ドルは対円で上昇基調が続く」と、工藤部長はみている。

   豪ドル円は2009年12月30日に1豪ドル82円66銭をつけて引けたが、10年1月に入るとさらに上昇し、現在は83円70銭~85円60銭で推移している。

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