カンタス航空がノウハウをJALに提供
それ以外にも、使用する飛行機の種類を絞って整備コストを下げるという工夫もされている。
実は日本にも、すでにLCCの波が押し寄せている。07年には豪カンタス航空の100%子会社である「ジェットスター」が日本に進出し、現在では成田・関西の2空港に乗り入れている。業績も比較的好調で、カンタス航空の08年7月~09年6月の決算資料によると、日本市場では、新型インフルエンザの影響を受けながらも、黒字を計上している。
さらに、ここ1年では、韓国のLCCの進出が相次いでいる。自治体が出資する「済州航空」が09年3月にソウル(仁川)-関西、北九州便を、09年11月にはソウル(金浦)-関西便を開設。10年春には、アシアナ航空などが出資する「エア釜山」が釜山-福岡、関西路線に就航する予定だ。前出のエアアジアも、10年3月に開港予定の茨城空港を念頭に、10年以降に日本への乗り入れを検討している。
このように、日本でもLCC間の競争が激化しそうな様相で、JALグループがどのようなLCC戦略を打ち出すかが注目されることになりそうだ。1月12日に「ワンワールド」陣営がJALへの追加支援策を発表した記者会見では、カンタス航空幹部が、通常ブランド「カンタス航空」とLCC「ジェットスター航空」の2つのブランドを並行して運営するノウハウをJALに提供する意向を表明。JAL子会社の「JALエクスプレス」などでは、客室乗務員(CA)が機内清掃を担当するなどのコスト削減策が実行されているが、これらが今後強化される可能性もありそうだ。