高成長が期待されるアジアでの事業も進まず
また、2010年春統合する2グループとも、持ち株会社の傘下に各社をぶら下げる方針。合併による組織間の摩擦を回避するためだが、重複する拠点や事業の統廃合が進まず、統合効果が限られる懸念も指摘される。
今のところ各社とも、統合で生じる果実は、高成長が期待されるアジアでの事業基盤強化などに振り向ける考えで、すぐには保険料値下げなどの形で顧客に還元されることはなさそうだ。収益改善が実現すれば、やがては顧客サービスの改善にもつながる可能性はあるが、損保各社の海外事業は最大手の東京海上が検討している程度。海外展開のシナリオが崩れれば、さらに収益が悪化して顧客に負担を迫るという可能性も否定はできない。