学生確保に「大学」必死 授業料値下げや減免奨学生

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私立大学の7割が特待生入試行っていた

   大手予備校の河合塾・教育情報部は「奨学金などを通じて学費を免除する動きは広がっている」と指摘する。河合塾の調べによると2010年入試では、私立大学の399校が、奨学金にからむ特待生入試を行っていた。これは私立大学の7割にあたる数で、10年前の約4倍だった。その上で、担当者は「大学側の話によると、最近は奨学金に関する保護者からの問い合わせが増えているそうです。また、大学案内にも奨学金や給付制度の説明は大きく取り上げられています」と話していた。

   一方、東京大学の場合は2008年、世帯の給与収入が400万円以下など、一定の条件にあう学生に対して、授業料を全額免除する制度を開始し、話題を呼んだ。奨学厚生グループは「授業料免除の仕組みは従来もありましたが、その基準や算出の仕方を明確にすることで、対象者は誰なのか、わかりやすくしました。入学説明会でも質問が増えました」と話している。2009年度後期の実績では学部学生の763人が利用したという。前の年に比べて約100人増えたという。

   教育事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司さんは、授業料値下げや免除、などの動きについて、「昨今の景況感も大いに関係しているでしょう。(入学金や授業料を)払いたくても払えない家庭があり、しかも奨学金が得られるのは入学後の6月頃。入学までにお金を用意できないため、地方の受験生では地元志向が根強かった」と指摘している。一方で、大学側には優秀な学生を確保できるメリットがあるとしている。

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