枝川二郎の「マネーの虎」
日本人ばかりが国債を買っている危うさ

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英米でも本当に返済できるのか疑問の声高まる

   しかし、今まで国債が高値で売れてきたのだからこれからも大丈夫のはず、と考えるのは楽観的すぎる。バブルの最中に「日本の不動産は下がったことがない」として不動産を高値で買っていた人がいたが、それと同じことだ。今後、国債がさらに増発されるとその価値はどんどん下がり、一方で金融機関は「腹一杯」になっていくことだろう。

   それに日本人ばかりが国債を買っているという危うさがある。日本人にはめっぽう人気があるが外国人にはさっぱり、というアーティストがいるが、それと似ている。要は普遍的な価値があるかどうかという問題だ。それに「どうせ投資家は大半が日本人だ」と政府が高をくくれば、あっさり資産課税や返済延期といったことをはじめないとも限らないし、円安がトレンドとなって極端に進行すれば、日本人の生活の糧となっている原油や食料などが海外から輸入しづらくなって、国民生活が貧しくなるといった恐怖が現実味を帯びてくる。

   現在、アメリカやイギリスでも国債の増発は大きな問題になっている。両国は日本ほど借金への依存度が高いわけではないが、それでも本当に返済できるのか疑問の声が高まっているのだ。しかし、最も問題なのは日本であるのは明らか。どのように返済していくのか、不安は高まる一方だ。


++枝川二郎プロフィール
枝川二郎(えだがわ じろう)国際金融アナリスト
大手外資系証券でアナリストとして活躍。米国ニューヨークで国際金融の最前線で活躍。金融・経済のみならず政治、外交、文化などにもアンテナを張り巡らせて、世界の動きをウォッチ。その鋭い分析力と情報収集力には定評がある。


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