「美しい人たちだけが集うSNS」をうたうBeautifulPeople.com(BP)から、クリスマスや年末年始の休暇が終わると5000人の会員が消えた。太りすぎで美しさを失った会員が、登録を抹消されたのだ。米国人会員1500人以上が退会させられた一方、日本人は該当者が一人も出なかった。
BPは2002年にデンマークで開設され、今では世界16カ国でサービスを展開している。既存会員による審査で選ばれた「美しい人」のみが、入会を許される。現在、55万人を超える会員がサイト内やオフ会で交流を楽しんでいる。
退会ダントツ1位は米国人
ところが、年末の休暇シーズンに、5000人の会員が「肥満」を理由に退会させられた。会員がパーティーを楽しむ様子を写した写真が多数アップされ、続々と「太りすぎ」が見つかったためだ。
5000人のうち、ワースト1は米国の1520人。2位の英国のおよそ倍とダントツの人数だ。米国では11月の第4木曜日に「感謝祭」の祝日があり、その前後を含めて数日間の休日をとる。「収穫を祝い、神に感謝する」というのが感謝祭の起源で、家族と共にごちそうを食べる習慣がある。料理は七面鳥の丸焼きが有名だが、ほかにもグレービーソース(肉汁ソース)をたっぷりかけたマッシュポテト、パンプキンパイといった、カロリー高めの料理が食卓に並ぶ。たらふく食べた後、ソファーに寝そべってアメフトの試合をテレビで見たり、ビールを飲んだりしながらゆったり過ごすのが定番だ。
感謝祭が終わると、ひと月もすれば今度はクリスマス休暇がやってくる。感謝祭と同様、家族そろって肉料理やケーキに舌鼓を打ち、友人たちと連日パーティーに繰り出す若者も多い。BP最高経営責任者のグレッグ・ホッジ氏は、「米国では、感謝祭以降大いに羽目を外すので、(そのために)多くの会員が退会となってしまったのは間違いない」と話す。長期の休暇が連続する中、運動もせず高カロリーの食事を取り続けた結果、「激太り」した米国人会員が続出したのだろう。
「日本人会員は皆さん美しさを保っていました」
では日本人会員はどうだったのか。BPの広報を代行する英国ゴールデングースPR社(以下、GGPR)に聞くと、「日本人会員は現在2万5000人ほどだが、今回強制的に退会させられた人は一人もいません」と回答した。BPでは日本人を、「最も健康的で、ひきしまった体型を維持している」と評価している。「年末年始、日本では大いにお酒を飲む文化があるようですが、日本人会員は皆さん美しさを保っていました」と、GGPRの広報担当フェリシティ・ハーデインガム氏。なぜ日本人は太りすぎなかったか、その理由は明らかにしなかったが、「欧米の会員は、日本人の優れたダイエットや運動方法を見習わなければいけませんね」と話す。
「BPは永久会員を保障するものではありません。美しさをなくせば、同時に会員資格も失うのは仕方のないことです」。今回の大量退会を知った日本人会員の中には、慌てて「正月太り」になった体を戻そうと、ホコリをかぶった「ビリーズ・ブートキャンプ」のDVDを引っ張り出した人がいるかもしれない。