現物価格を押し上げる「上場効果」
プラチナ価格は世界的な景気の悪化でひところ大幅な下落に見舞われたが、09年3月以降に米プラチナETFの上場計画がたびたび話題に上ると、欧米の投資需要が旺盛になり、工業用需要も増えてきたことで、需給バランスが崩れはじめた。
製造コストの上昇もあって、手軽に買えていたプラチナコインまでも米国やカナダでは製造中止となり、国内販売も品薄。田中貴金属工業では買い受け、再販することで対応しているが間に合わない状況が続いている。
米NY市場での上場を果たしたETFセキュリティーズは「ETFがプラチナ(現物)を確保することを見越して、(投資家が)現物に投資しているようだ」とし、国内外でプラチナETFの人気が高まれば、さらに値は上がる。
金やプラチナなどの「貴金属ETF」は投資家にとって、簡単でなかった貴金属への投資が身近になったことや、株価などの相関関係がないため、ポートフォリオの分散効果が得られるなどメリットも少なくない。
プラチナやパラジウムなどのETFを取り扱っている証券会社は、金ETFや株式指数などに連動するETFに比べると少ないのが難点だが、人気に火がつく気配もある。