「会見のオープン化をさらに進めるべきだ」
その後、ネット選挙や外国人参政権の解禁などの質問が出たあとで、ちょっとした「ハプニング」が起きた。記者クラブが設定した参加条件を満たしていないために「質問権」がなかったはずのメディアの記者が、そのルールを知らずに質問してしまったのだ。
質問したのは、インターネットでドキュメンタリーやインタビューの映像番組を配信しているアワープラネット・ティービーの白石草さん。白石さんはこれまでにも何回かオブザーバーとして総務省の会見に参加していたが、「大臣会見がオープン化された」と聞いて、当然自分も質問できるものだと思ったのだ。
ところが「日本雑誌協会や日本インターネット報道協会など所定の報道団体に加盟しているメディアか、そこに定期的に寄稿している記者」という参加条件には該当していなかった。そのことに気付かずに白石さんは、原口総務相が年末に表明した「情報通信文化省構想」について質問。原口総務相にしっかりと回答してもらったが、会見後にクラブの幹事社から「ルール違反だ」ときつく注意されてしまった。
「ようやく質問できて良かったと思ったが、ダメだったと分かり、ショックを受けた。今日の会見でもフリーの人達が元気よく質問していたように、活性化という意味でもどんどんオープンになったほうがいいと思うのだが……」
と白石さんは語る。特に総務省の場合は情報通信政策を扱っているので、インターネットを舞台にした新しいメディアにもっと門戸を開いてもいいのではないかという意見だ。
地方分権という観点からも「会見のオープン化をさらに進めるべきだ」という声が出ている。中央省庁の記者クラブは在京メディアに偏りがちで、地方の視点が反映されにくいのではないかというわけだ。地方自治をテーマにした取材活動を続けているフリーランスライターの小川裕夫さんは
「地方にはそれぞれの地域文化の担い手となっているミニコミ紙がたくさんあるが、そういう地域メディアにも会見を開放していくべきではないか。特に原口大臣は今日の会見でも『地域主権改革』を抱負の筆頭に掲げていたくらいだから、総務省は地域を司る省庁としてもっとがんばってほしいと思う」
と話す。大臣会見にフリーやネットの記者が参加できるようになったことは画期的だが、オープン化は始まったばかり。解決すべき課題はまだまだ残されているといえそうだ。