日航再建策で銀行団が猛反発 「法的整理は裏切り行為だ」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

「株主訴訟リスクを負いかねない」と懸念

   ただ、会社更生法などの法的整理は「倒産」のイメージが強いのが難点。「顧客や取引先が離れて、安定運航に支障が生じるの」という懸念は根強い。メガバンク役員は「米国と日本は事情が違う。日航のように複雑な運航管理が必要な航空会社で法的整理に踏みきった場合の混乱を、政府は考えているのか」と怒りを露わにする。

   法的整理を主張する同機構が描くシナリオは、日航が会社更生法を申請する前に、銀行団などと債権放棄に大筋で合意を得ておくという、「事前調整型」と呼ばれる手法。米自動車大手ゼネラル・モーターズの再建に用いられた。

   とはいえ、銀行団が放棄する債権額は大きく膨らむので、そう簡単には納得できない。主力銀行の日本政策投資銀行は、「融資残高については言えないが、(政府保証を約束した)11月10日の閣僚合意は生きていると認識している」と話す。そのために「具体策を現在練っている」というのだ。

   メガバンクの中には「政府の姿勢が途中で変わって日航再建が頓挫すれば、銀行が損失を被って、われわれが株主訴訟リスクを負いかねない」(役員)と懸念する声がある。

   政府は年明け、法的整理の回避を狙いに当面の資金繰りのためのつなぎ資金を1000億円から2000億円に引き上げたが、銀行団にとって、ぐらつく政府方針は大きなリスク。政府と企業再生支援機構、銀行団との綱引きが続きそうだ。

1 2
姉妹サイト