キリン・サントリー統合が山場 難問は創業一族の株式

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   食品業界国内最大手のキリンホールディングスと、同2位のサントリーホールディングスの経営統合交渉が、年明けから大きな山場を迎える。最大の難関は、株式未公開会社であるサントリー株を保有している創業一族の資産管理会社「寿不動産」が、新会社の株式の何%を保有することになるのかだ。

   仮に33.4%以上の持ち株比率となれば、新会社の合併・営業譲渡など重要案件に対する拒否権を持つことになるため、キリンの株主である三菱グループ企業やキリン社員の反発は避けられない。

キリン社内や三菱グループ企業には反発が強い

   両社は2009年12月上旬ごろから、統合比率など統合の根幹となる項目について副社長をトップに具体的協議に入った。両社の売上高はキリンが約2兆3000億円、サントリーが約1兆5000億円と1.5倍以上の開きがあるが、サントリーの文化事業や、自由な企業文化に支えられた商品開発力は業界の評価も高く、同社幹部は「最低でもキリン1に対して0.7以上の統合比率は必要」と強調する。

   主張の根拠になっているのが、寿不動産の保有比率だ。サントリー首脳は12月、複数のメディアに対し「安定的な大株主がいたほうが、国際市場での存在感を高めるという経営戦略にも有利になる」と主張。一部に取りざたされていたような統合前の株式放出などは行わず、新会社でも筆頭株主の地位を確保するとの立場を明言した。その最低ラインと位置づけるのが33.4%以上の保有で、そこから逆算して、統合比率ではキリン1に対してサントリー側は0.8前後を求めているようだ。そうなると、現在のサントリー株の9割弱を保有する寿不動産の新会社持ち株比率は34%を超えることになるという。

   キリンの加藤壹康社長は、サントリーの佐治信忠社長との個別の話し合いで、寿のシェアが3分の1超になることを了解していたとされる。しかし、キリン社内や三菱グループ企業には「上場会社の実質的な経営権がサントリーに握られることなどありえない」(首脳)となお反発が強いのが実態だ。

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