東京はジャイアンツ、大阪はタイガースのニュース
電通とジェイ・キャストは、2010年1月5日に、エリアターゲティング機能を生かしてネットの利便性を向上させ、ネット広告の新しい商品を開発、普及を図る事業会社「あどえりあ」を設立する。
この機能を備えると、求人、不動産、交通、イベント、商店など、地域に結びついた分野での利用に効果的だ。ほかに、広告掲載に時間差をつけたり、掲載コンテンツを地域ごとに変えるのにも便利である。全国いっせいに発売すると、発売元の作業が集中して困るので、地域別にコマーシャルを流すテレビショッピングのような使い方も出来る。地域によって価格が異なるため、全国一律表示だと困る商品もある。
サイトにとっては、画面を地域ごとに違ったコンテンツ、広告にすることが出来るので、広告料金の設定によって増収を実現する可能性も出てくる。
この機能は広告だけでなく、サイトがコンテンツを地域ごとに切替えるのにも使える。新聞社サイトだと、地方版を表紙画面で展開することも出来るし、スポーツ記事では、ファンの多い地区別の画面を表示することが出来る。東京はジャイアンツニュース、大阪はタイガースといった具合だ。
あどえりあ社の代表取締役社長に就任する電通インタラクティブメディア局の石田隆氏は、
「インターネットに地域を選択した広告が出来るようになるのは画期的なことだ。その需要も高まっていると見ている。ネット利用者の利便は高まるし、地域を選んで広告を出したい地域の広告主にも便利だ。地域の広告代理店などとも協力して、有力サイトにも広告が掲載できるような仕組みを普及することにより、地産地消にも貢献できると思う。まずは特許技術を社会的なインフラとして普及させ、有料ライセンスを出していく。その過程で、様々な企画を展開していきたい」
と意気込む。営業地域が限られている地方の商店などにもエリアターゲティングを活用してもらうことを期待しており、
「現状のインターネット広告では、地域別配信機能を提供できていない。地方で頑張っている企業には、メリットを享受してもらえる仕組みだ」
と話している。