キャバクラ化する「ガールズバー」 5万円のドンペリ、同伴制度も

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   女性がバーテンダーを務める「ガールズバー」と呼ばれる飲食店が、夜の街で人気を集めている。ただ、最近、その料金体系や接客方法などに変化が現れてきたようだ。

大阪・宗右衛門町
大阪・宗右衛門町

   2009年12月26日、ガールズバーで請求された額が「高すぎる」として、男性店長を暴行した容疑でお笑いコンビ「メッセンジャー」の黒田有(39)が逮捕された。今回、ガールズバーの人気と不透明な実情を象徴するようなこの事件の現場、大阪・宗右衛門町でその実態を探ってきた。

「女の子の質はキャバクラと変わらない」

   「ガールズバー」は06年半ばに大阪で発祥したといわれる。深夜0時以降の風俗店の営業を規制する法律や各自治体条例によるキャバクラ等への規制強化の動きが強くなるにつれ、風俗営業の許可がなくてもよいガールズバーの出店が相次いだ。時間無制限、ワンドリンク500円~1000円という低価格サービスがうけ、数年で主要都市を中心に全国に広がった。

   ただ、その実態ははっきりとしない。ガールズバーでは法令上、女性スタッフが客の傍に座るなどの接客行為は認められていないはずだが、店舗によってはキャバクラと変わらない接客をしているともいわれる。実際に08年以降、風俗営業の許可をとらずに接待行為を行ったとして、東京都・歌舞伎町などの数店舗が摘発されている。

「1時間飲み放題4000円でどうですか。かわいい子つけますよ」

   大阪一の歓楽街ともいわれる、宗右衛門町の元日。21時をまわると、キャッチセールスの男性と女性たちが側道に立ち並び、ひっきりなしに声をかけてくる。そのほとんどがガールズバーのスタッフだった。

   大阪の風俗事情を良く知る風俗店関係者によると、09年に入ってから大阪では深夜0時以降のキャバクラ営業への取り締りが一層強まり、これまでキャバクラとして営業していた店の「ガールズバー」への鞍替えが進んでいるのだという。

   実際に18歳と20歳の女性店員を伴ってキャッチセールスしてきたガールズバーの男性スタッフは、こんなふうにアピールしてきた。

「うちは2週間前にキャバクラから業態を変えたばかりのお店です。女の子の質はキャバクラと変わらないからお得ですよ」

「1杯500円で飲めたころが懐かしい」

   この男性の店も1時間4000円、ブランデー、焼酎が飲み放題のセット料金だった。働く女性は十数人で全員がキャバクラ時代からのスタッフという。深夜0時前の店内には、バーカウンターを隔てて、女性スタッフと男性客数名が会話やデュエットでカラオケを楽しんでいた。1年前からこの店で働いているという20代の女性は、キャバクラ店からガールズバーに変わったことについて、

「カウンターができただけで私たちには何も変わらないって感じですね。確かに同伴制度のノルマの厳しさはましになりましたが、まだちゃんとありますし・・・。まぁドレスを着ないで私服で働けるだけでもいいですよ」

と話す。基本的にこの店では、マンツーマンで接客する。また、指名料3000円を払えば、特定の女性とカウンター越しに会話することもできるうえ、女性にドリンクを飲ませる場合、キャバクラ時代と同じ1杯2400円かかる。なお、この店で1番高いお酒は1本5万円のドンペリ。中には数本あけて帰る客もいるという。

   今回初めてこの店に来店したという20代の男性客は、お店を出たところで悩ましげに答えた。

「今日も飲ませろ、飲ませろってしつこく言われましたよ。僕はガールズバーが大阪に出始めたころからいろんな店に通いましたが、最近キャバクラと変わらないところがかなり増えた印象ですね。1杯500円で何時までも飲めたころが懐かしいです」
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