新たに参加する記者の力量が試されている
C 記者会見をオープン化するうえで、問題となるのが参加資格をどのように設定するかだ。クラブ以外の者の参加を認めるといっても、セキュリティやキャパシティの観点から無制限に許可するわけにはいかないだろう。
A その点、外務省と金融庁は参加基準が異なっている。外務省は日本雑誌協会や日本インターネット報道協会などいくつかの報道団体に加盟しているメディアか、その媒体で記事を書いている記者であることを参加条件としている。一方、金融庁の基準はそこまで形式的ではない。個々の記者から参加申請を受けるたびに、それまでの実績をみてケースバイケースで判断している。結果として、金融庁のほうが広く参加を認めることになっているが、特に問題は起きていない。
C 1月から新たにオープン化する総務省は、外務省とほぼ同じ基準だというが、これだと参加が認められないジャーナリストも出てくる。ただ、どんな基準がいいか一概には決めにくいので、試行錯誤しながら基準を考えていくしかないだろう。
A 記者会見がオープン化されたからといっても、それだけで記者会見の質が上がるわけではない。新たに参加するようになった記者がどんな質問をするのか、その力量が試されているともいえる。
B 記者クラブ問題に長年かかわってきたビデオジャーナリストの神保哲生さんは外相会見が開放されたとき、「ボールは投げられた。それをどう打ち返すか。今度は我々のほうが試される番だ」と話していたが、そのとおりだと思う。