大手マスコミはなぜ記者会見開放に反対するのか
記者クラブ問題座談会(上)

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記者クラブがオープン化に反対する理由

B   記者クラブの幹事社に聞くと「外部の記者が入ってくると、記者会見の運営に支障が生じる恐れがある」というあいまいな答えが返ってくる。


C   それは「トンチンカンな質問が出ると困る」ということかもしれないが、そのような問題は会見時間を長めに確保したり、進行役がきちんと仕切ったりすることで解決できるはずだ。


B   実際、鳩山首相の釈明会見では、記者クラブの記者に混じってフリーやネットの記者が何人か質問していたが、特に混乱は生じていなかった。


A   ほかに記者クラブが反対する理由としてよくあがるのが、セキュリティの問題。ニューヨークタイムズの記事によると、毎日新聞の記者が「もし記者会見で焼身自殺をする人が出たら、だれが責任をとるのか」と言ったというが、過剰反応ではないか。


C   さすがに焼身自殺というのは、言いすぎだろう。ただ、かつて新聞社で働いた経験からすると、セキュリティの問題というのは確かにあると思う。これは冗談で言われていた話だが、某大手新聞には「宮内庁の記者クラブにはエキセントリックな記者は入れない」というルールがあると聞いたこともある。一種の身元調査をやっているということだね。


A   会見場のキャパシティの問題もあるから、「誰でも記者会見に入れろ」というのは現実には難しい。問題はどこで線を引くかだ。


B   メディアの数が限られていた昔は、記者クラブに所属している記者にだけ会見参加を認めるというルールも合理性があったのかもしれない。しかしメディア環境が大きく変わった今では、時代遅れの感が強い。


A   「記者会見をもっとオープンにしろ」という要望はだいぶ前からあるが、記者クラブはオープン化に消極的だ。そこには、セキュリティやキャパシティ以外の理由があるのではないか。

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