亀井静香郵政・金融担当相がテレビ番組の中で、天皇陛下に会った際、「権力の象徴であった江戸城にお住まいになられるのは、立場上相応しくないのではないか」と伝えた、と明かした。閣僚が天皇陛下との会話の内容を明らかにするのは極めて異例。過去には昭和天皇との会話をマスコミに漏らして辞任した閣僚もおり、亀井氏の発言は議論を呼びそうだ。
亀井氏は2009年12月27日、テレビ朝日の報道番組「サンデープロジェクト」に出演した。この日の放送は「鳩山政権100日記念」として、亀井氏のほか民主党の菅直人副総理や、社民・福島瑞穂党首、自民・谷垣禎一総裁など、党首級の8人が登場。米軍普天間基地移設や、鳩山総理の偽装献金問題など、現政権が抱えている懸案について議論した。
「陛下は『京都、好きです』とは言っておられた」
その中で、天皇の政治利用について討論した際、亀井氏が
「先日、天皇陛下と殿下にお会いしたとき、権力の象徴であった江戸城(現皇居)にお住まいになられるのではなくて、京都かあるいは(亀井氏の地元の)広島とかに(お住まいになれば)と恐れ多くも申し上げた」
と明かした。「権力の象徴であるお城にお住まいになられるのは、お立場上、相応しくないんじゃありませんか」と伝えたという。
亀井氏が陛下と会話したのは、12月24日、鳩山首相も参加した宮中昼食会と見られている。番組内では「陛下は黙って聞いておられました」としていたが、その後、報道陣の取材に対して「陛下は『京都、好きです』とは言っておられた」と暴露した。