経済産業省が2009年12月28日に発表した11月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整済み)速報値は、前月比2.6%上昇の88.3となり、9か月連続で上昇した。基調判断は、「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」とし、据え置いた。
生産指数の上昇に寄与した業種は輸送機械工業や一般機械工業などで、品目別には自動車や駆動電導・操縦装置部品など。アジア向けなどの輸出の増加が続いていることが上昇の要因。前年同月比では3.9%の低下だった。
出荷指数は0.9%上昇の89.3で、出荷の上昇に寄与したのは一般機械工業や鉄鋼業、輸送機械工業。在庫指数は0.2%上昇して112.8となり、上昇に寄与したのは情報通信機械業や化学工業、輸送機械工業など。在庫率指数は3.8%低下の112.8だった。
製造工業生産予測によると、12月は3.4%の上昇、1月も1.3%の上昇を見込んでいる。12月の上昇は鉄鋼業や電子部品・デバイス工業、電機機械工業など、1月の上昇は一般機械工業や輸送機械工業、情報通信機械工業などによるものとみている。
ただ、労働力の過剰感はぬぐえず、必ずしも「先行きが明るい」とは言えない。