沖縄「カジノ構想」の行方 お役所はどこも消極的

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   刑法との整合性などを理由に実現が困難だとされてきた「カジノ特区」構想が、再び浮上してきた。亀井静香金融相が「雇用、所得の面で大幅アップが期待できる」として、沖縄県にカジノを作ることを主張。仲井真弘多知事も歓迎姿勢を示した。ところが、「カジノ特区」をめぐっては、長崎県内の自治体などが、県内のテーマパークの一部を外国人向けにカジノ化する構想を申請したものの、つい最近になって政府が却下したばかり。却下の理由を見ると、「沖縄カジノ」構想の実現に向けてのハードルは高いことが浮き彫りになってくる。

   沖縄県での「カジノ構想」は、九州・沖縄サミットが行われた00年頃から提唱され、02年、06年頃にも、米軍基地返還後の跡地にカジノを誘致すべきとの声が高まったが、賭博を禁じている刑法との関係から、事実上「立ち消え状態」になっていた。

鳩山首相も構想に興味を示している?

   ところが、ここにきて、構想が再び浮上しつつある。きっかけは亀井静香金融相の発言で、亀井氏が09年12月17日の会見で

「沖縄が総合レジャーのメッカみたいな形になっていけば、雇用の面、所得の面で大幅なアップがあるのでは」

と、経済対策の一環として「特区」を設けるべきとの見解を披露した。さらに、沖縄県出身の喜納昌吉参院議員や、国民新党の下地幹郎政調会長が構想に賛同したことを紹介。さらに、

「総理なんかも、これはお酒を飲みながらですけれども、『そういうのも一つのあれ(方向性)ではないのかな』というようなことも漏らしておられました」

とまで述べ、鳩山首相も構想に興味を示していることを主張した。

   ところが、つい最近の事例を見てみると、同様の構想が、あっけなく却下されているのだ。「カジノ構想」をめぐっては、長らく「カジノは刑法が禁じている『賭博』にあたる」として「門前払い」の状況が続いたものの、09年4月21日の参院委員会で鳩山邦夫総務相(当時)が

「正直言って、カジノというのはやりたい。観光産業としてやれたらいい」
「刑法がかかわるからというので門前払いをするのではなくて、取り込んで議論はすべき」

などと意欲を示したことから、経営再建中のテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)内に公設民営のカジノを作る構想が浮上。09年6月、佐世保市や長崎市などの自治体が共同で、特区の設置を内閣府に提案した。具体的には、暴力団の影響や治安の悪化を避けることを目的に、外国人のみが利用できるカジノを設置するという内容で、年間に22万人の入場者と170億円の経済効果があると試算していた。

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