実施企業は「配当が低い」との見方も
そもそも株主優待は、少数株主の企業が個人株主を増やす目的で導入した例が多い。加えて、自社製品がユーザーの手元に届くので、一定程度の宣伝効果が見込めるようになったこともあって増えていった。
ところが、実施企業をみると小売業や農林水産業、輸送・運輸関連、不動産業などの業績不振の企業が少なくなく、株主優待に自社製品を使うことで、「現金を社外に出したくない」との事情がみてとれる。このため、業績が向上しなければ、さらに廃止・中止を打ち出す企業は増えることになりそうだ。
株主優待が減る傾向に、ある個人投資家は「配当が十分あれば、優待制度はいらない」と話す。「実施する企業が増えたことで、配当の代わりに株主優待を手厚くするので(配当は)大目にみてくれといった風潮があって、利益の増減に見合った配当をしてくれない」というのだ。
株主優待を実施している企業の配当性向は比較的低いとの見方もあって、それが株価が上がらない遠因になっているともいわれる。
会社法には「株主平等」の原則がある。持ち株数に応じて発言権も利益収受も平等に扱われるというものだが、株主優待制度はすべての株主に同じようにメリットをもたらすとは限らない場合があって、それが「株主平等に反する」との声もある。