サッカー日本代表の岡田武史監督は2009年12月17日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。メンバー選考に関する質問が相次ぎ、09年10月の「キリンチャレンジカップ」後にインタビュー拒否をするきっかけになった「ミウラ(カズ)」という、名詞も登場。監督は苦笑いしながらも、「チームが勝つために23人を選ぶ」との、原則論を崩さなかった。
2010年ワールドカップの日本代表の目標「ベスト4入り」の実現を疑問視する声が相次いでいることについて、冒頭、岡田監督は、日本人の持久力や瞬発力は外国勢に劣っていないなどと主張し、
「元々日本人は武士道に代表されるような闘争本能を持っている。今の社会のせいで、そのスイッチが入っていない。個々のレベルアップに加えて、日本人が得意な組織の力をあわせてベスト4入りを目指したい」
と意気込みを語った。
「俊輔と本田との対比では考えていない」
質疑応答では、チーム編成についての質問が相次いだ。本田圭佑選手と中村俊輔選手の処遇については、
「(中村)俊輔と本田との対比では考えていない。まだ(代表メンバー)23人の中に入れるかは決めていない」
と態度を保留。09年のJリーグで最優秀選手賞(MVP)を受賞した小笠原満男選手が代表メンバーに選ばれたことがないことを指摘する質問にも、
「小笠原って、(鹿島)アントラーズの選手ですよね?能力があるし、頭の中に名前があがっている選手のひとり」
と話すにとどまった。
さらに、
「(岡田監督が以前代表監督を務めた)1998年のフランスW杯の時に得た教訓や、後悔したことはあるか。三浦知良選手(当時)を代表から外したことを含めて、どうか」
という質問も飛びだした。
岡田監督が行う代表メンバー選考をめぐっては、09年10月初旬にTBS系のサッカー番組で、司会者が「三浦知良、なんで外したんでしょうか」という質問をぶつけたことに岡田監督は激怒。10月中旬にTBSが中継を担当した「キリンチャレンジカップ」でインタビューを拒否するという事態に発展したという経緯がある。
だが、今回の質問については、岡田監督は苦笑いしながらも
「『フットボールそのもの』については、『W杯だから特別』ということは余りない。メンバー選考についても前回と変わらない。チームが勝つためのメンバーを選ぶ。『能力が高い順に23人を選ぶ』ということではない」
と、これまでの原則を繰り返し、三浦選手を外した理由について明示的に答えることはしなかった。