店で実物を見て選び、ECサイトで価格を比較して、より安く買う。2009年の年末商戦は、そんな傾向が顕著だ。不景気で冬のボーナスの支給額が落ち込んでいるのが、加速させている。
12月第2週にボーナスが支給されることが多く、ECサイトの年末商戦は第2日曜日(2009年12月13日)がもっとも盛り上がると言われている。この日、「楽天市場」の売上高は前年の第2日曜日より2割多い30億円台後半だった。12月の日曜日で過去最高で、1日あたりの売上高としては2番目に多かった。
「お正月に向けて巣ごもる準備をしている」
「ボーナスが支給された第2週の土日に店で実物を見て選び、日曜の夜にネットで安いところを探して購入するという傾向が08年から目立っています。09年はさらにその傾向が強まっています」
と楽天市場の広報担当者は明かす。
よく売れたのはグルメ関連で、中でも鍋商材のカニやおせち料理が好調だった。37型以上の大型テレビ、ブルーレイディスクレコーダー、加湿器、空気清浄機といった家電も売れた。
「お正月に向けて巣ごもる準備をしているのがうかがえます。最近、購入単価が下落傾向にありましたが、年末商戦に関してはグルメや家電の単価は下がっていません」
ファッション、服飾小物の売れ行きもいいが、1万円以下の商品に人気が集中している。お金をかける部分と節約する部分と線引きしている様子がうかがえる。
楽天市場では12月13日以降も売れ行きが伸びている。
12月15日の午後8時から17日の午前2時まで、購入した店舗数に応じてポイントが増えるキャンペーンを行っているからだ。通常は100円につき1ポイントもらえるところ、期間中は2店舗で買えば2倍、3店舗で買えば3倍になる。最大10店舗までで、10倍になる。
08年も同様のキャンペーンを行ったところ、24時間で約40億円弱を売上げた。09年は開催時間が増えたこともあり、「08年の記録をさらに上回るのではないか」と広報担当者は期待する。