「命がいくらあっても足りません」 警告無視した鹿島の釣り人事故

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   釣り人が「立ち入り禁止」を無視して波にさらわれる事故が全国で相次いでいる。茨城県・鹿島港でも2009年12月12日、釣り人3人が立ち入り禁止区域とされていた防波堤で行方不明となった。

   今回事故があったのが茨城県神栖市にある鹿島港の「南防波堤」だ。12月12日、釣りに来ていた会社員の男性3人が行方不明となった。14日には1人が遺体で発見されたものの、15日の捜索でも依然2人は行方不明。鹿島海上保安署は16日以降も引き続き捜索を続けている。

1963年の着工以来、65人の釣り人らが死亡

   南防波堤は一般人の立ち入りは禁止されているものの、釣り好きの間では関東圏有数の釣りスポットとして知られ、「不法侵入」が絶えなかった。1963年の着工以来、65人の釣り人らが波にさらわれ死亡している。

   この地域を管轄する第三管区海上保安本部のサイトでも、鹿島港中央防波堤と併せて、「死者・行方不明者が続出しています。ここでの釣りは、命がいくらあっても足りません」と紹介。鋼鉄のフェンスを乗り越え侵入し、移動用のスクーターまで運び込む人までいるといい、「マナーの悪い釣り愛好者が後を絶ちません。これらの防波堤で釣りをしている人を見かけたら、118番に通報して下さい」と呼びかけている。

   こうした事故が起きているのは、鹿島だけではない。

   釣り人事故のニュースが特に目に付くのが青森県だ。08年11月に八戸港八太郎地区の北防波堤で、テトラポッドの上で釣りをしていた男性が海中に転落して死亡。地元紙によると、防波堤は立ち入り禁止区域だったが、イカやサバなどの釣れる秋の休日には100台以上の車が乗り入れていたという。県はそれまで、ガードレールやテトラポッドなどで侵入を阻止していたものの、その度に何者かに移動され、いたちごっこ状態だったという。

   この死亡事故を受けて県は09年3月、北防波堤に立ち入り防止柵を設置。釣り愛好家らは防波堤開放を要望する4000人分の署名を7月に県に提出したが、認められなかった。

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