擁護、批判と意見は真っ二つに
事態は、役人が政治家に反乱したような構図になっているが、羽毛田信吾長官を擁護する声はかなり多いようだ。
宮内庁には、2009年12月14日までに1000件を超える意見が寄せられ、その多くが羽毛田長官に賛成する意見だという。ライブドアのネットリサーチでも、長官支持が7割強も占め、小沢一郎幹事長支持は2割強に留まっている。
皇室ジャーナリストの松崎敏弥さんも、羽毛田長官支持の立場だ。
「民主党政府がゴリ押しをした方が問題であり、長官が抵抗するのは当たり前です。どこの国とも平等にスケジュールを作っており、陛下のご体調を考えながら忙しい公務も割かないといけません。陛下も話が来れば、断れないでしょう。いきなり会ってくれというのは、陛下に対して失礼なことです。ルールは守ってほしいですね」
一方、識者を中心に、羽毛田長官の対応ぶりを批判する声も次々に上がっている。
新党大地の鈴木宗男代表は、日本BS放送の番組内や自らのブログで、「尊皇精神に欠けている。陛下は会見を受けられたのだから、決まった後に言うのは陛下にとんでもなく失礼だ」などと批判した。
また、元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんは、ライブドアのコラム「眼光紙背」で、「職業的良心に基づいて考えるならば、『私はそのようなお願いをすることはできません。どうしてもというならば、私を解任してください』と言って頑張るべきだ」と指摘。「経緯説明という名目で記者会見を行ったことによって、天皇陛下が政治問題に巻き込まれてしまった」と主張している。
この問題、まだまだ論争は続きそうだ。