信託銀行の遺言信託が好調だ。2009年9月末の遺言の保管件数は、6万7961件(保管のみと執行付との合計)で、09年3月末と比べて3.5%増えた。遺言書の作成に関するアドバイスや保管、執行を行う遺言信託は、核家族化や権利意識の高まりによって年々増えている。
信託協会は「依頼者からは、自分の死後に家族が相続で揉めないようにしてほしい、あるいは資産を社会貢献のために使ってほしいといったニーズがあり、信託銀行がそれに応えている」と話している。
一方、2009年9月末の信託財産総額は750兆7000億円で、前年同月に比べて23.6%減ったが、株価の持ち直しなどで09年3月末に比べると7%増えた。
信託銀行が自らの裁量で運用する「資産運用型信託」は102兆円で、3月末に比べて10.7%減少したものの、委託者の指図で運用する「資産管理型信託」は563兆円で同19.4%増えた。「資産流動化型信託」は64兆円で同2.3%減った。