日本経済新聞は2009年12月15日、コンビニ・駅売店などの「店頭売り」の定価を10年1月1日から値上げすると発表した。ここ数年で地方紙を中心に値上げが相次いでいたが、ついに全国紙の一角が値上げに踏み切った形だ。
朝刊は140円から160円に、夕刊は50円から70円に、それぞれ20円ずつ値上げする。同日朝刊に掲載された社告では、
「駅売店数が縮小されるなか、読者の皆様の利便性を考えて駅以外の売店網も拡充してきました。あわせてコスト削減に努めてまいりましたが、今般やむなく店頭販売についてのみ定価引き上げをお願いすることになりました」
などと値上げの経緯を説明している。店頭売りが値上げされるのは、朝刊が1998年12月、夕刊が89年2月以来。月ぎめ購読料(朝夕刊セットで4383円)は据え置く。
地方紙で購読料の値上げが相次ぐ
ここ数年で新聞業界を取り巻く環境は急速に悪化しており、購読料の値上げが相次いでいる。例えば下野新聞(宇都宮市)は06年6月に12年半ぶりに値上げし、十勝毎日新聞(帯広市)、山形新聞(山形市)などが追随している。首都圏でも、08年秋に「日刊ゲンダイ」「東京スポーツ」などの夕刊紙が相次いで「店頭売り」を10円値上げしている。
いずれも、製紙メーカーが用紙代を値上げしたことや、原油高で印刷コストが高騰したことなどが理由。
値上げが難しいと判断した社は、夕刊の廃止に踏み切っており、ここ2年ほどでも、毎日新聞(北海道地区のみ)、秋田魁新報(秋田市)、沖縄タイムス(那覇市)、琉球新報(同)などの例がある、