「宮内庁長官は憲法を理解していない」 小沢氏、「特例会見」問題で反論

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   さながら「小沢一郎の憲法講座」のようだった。天皇陛下と中国の習近平副主席の「特例会見」について「天皇の政治利用ではないか」という批判が起きていることについて、民主党の小沢一郎幹事長は2009年12月14日の会見で憲法を根拠に反論した。

   「日本国憲法をもう一度、読み直しなさい」と記者に言いながら、「天皇陛下の国事行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ。(宮内庁長官の懸念表明は)日本国憲法を理解していない人間の発言としか思えない」と強く批判した。

「内閣方針に反対なら、辞表を提出したのちに言うべき」

記者に自らの主張をぶつける小沢一郎幹事長
記者に自らの主張をぶつける小沢一郎幹事長

   天皇陛下と外国要人との会見は、陛下の健康上の理由から1か月前までに申請するという内規がある。しかし習副主席との会見はこの内規に反して認められ、12月15日に実施されることになった。特例措置について、宮内庁の羽毛田信吾長官は「二度とこういうことがあってほしくない」と会見で述べ、天皇陛下の政治利用への懸念を表明。マスコミや野党から批判が起きただけでなく、民主党内からも異論が出ている。

   ところがこのような批判に対して、中韓訪問から帰国したばかりの小沢幹事長は、憲法を盾に真っ向から反論した。「1か月ルール」に反していることを指摘した共同通信の記者に向かって、小沢幹事長は

「君は日本国憲法を読んでいるかね? 天皇の行為はなんて書いてある?」

と逆質問。記者が戸惑いながら「国事行為…」と答えると、さらに、

「どんなふうに書いてある、憲法に?」

とたたみかけた。共同の記者は答えられない。小沢幹事長は得意な様子で、

「国事行為は内閣の助言と承認で行われるんだよ」

と「正解」を口にして、宮内庁長官への批判を展開した。

「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ。それが日本国憲法の理念であり、本旨なんだ。だから、なんとかいう宮内庁の役人がどうだこうだ言ったそうだけれども、まったく日本国憲法、民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない。ちょっと私には信じられない」

   小沢幹事長が法律や制度の知識を使って記者を「不勉強だ」となじりながら、自らの主張を展開するのは記者会見でおなじみの光景だが、今日はボルテージが特に高い。批判はさらに続いた。

「内閣の一部局の一役人が内閣の決定したことについて、会見して方針をどうだこうだと言うのは、日本国憲法の精神・理念や民主主義を理解していないと同時に、もしどうしても反対なら、辞表を提出したのちに言うべきだ」
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