年内で日本から撤退するハンバーガーチェーン、ウェンディーズに「駆け込み客」が殺到し、各地で人気メニューが売り切れる異常事態が発生している。主力の「ウェンディーズバーガー」が売り切れる店舗もあり、ウェンディーズを経営するゼンショーも「想像以上の反響。大変ご迷惑おかけしております」と頭を下げている。
米ウェンディーズ社と日本でのフランチャイズ契約を結んでいたゼンショーが2009年12月末で切れる契約を更新しないと決定、12月11日に、全国に展開する全71店舗を年内で閉店すると発表した。
「売り切れててがっかりなう」
ウェンディーズは1980年に日本上陸。近年はマクドナルドなど、より低価格帯のファストフード店に押されていたが、日本撤退を報じたニュース記事に撤退を惜しむ大量のはてなブックマークが付くなど、根強いファンも多い。
そのため、12日から13日にかけて、撤退前にもう一度食べておこうという「駆け込み客」が店舗に殺到、人気メニューが売り切れた。
神奈川県川崎市の新百合ヶ丘店では、12日夕方の段階で主力の「ウェンディーズバーガー」といった牛肉パティを使ったメニューが全て売り切れていた。店員は「今日の分はもう終わりです」といい、ハンバーガーはチキンサンドやフィッシュサンドなどしか残っていなかった。同様の事態は他の店舗でも起きていたようで、ツイッター上には、
「今日は大人気みたいでハンバーガー類全部売り切れだってー!!」
「ウェンディーズ追悼しにきたのに飲み物以外全部売り切れって………!」
といった書き込みが少なくとも100件以上寄せられている。都内の主要店舗のほか埼玉、福岡など全国の店舗で売り切れが相次いだようだ。また、特に人気のあったサイドメニューが「チリビーンズ」という豆料理。こちらも「チリが売り切れててがっかりなう」という書き込みが見られる。
急遽「スーパーメガウェンディーズ」21日から限定発売
ゼンショーの広報担当者は、今回の事態に関し、
「ツイッターとかで閉店を惜しむ声があったので、対策はしていたのですが、想像以上の反響でした。一部店舗で売り切れが生じ、大変ご迷惑お掛けしております」
と話す。当初想定していた以上の来客数で、牛肉パティを使用したハンバーガーや、チリビーンズなど、人気メニューから売り切れていった。
「ここまでウェンディーズを愛してしていただいて感無量です。今後は売り切れないよう、お客様の動向を見て何とかします」
また同社は14日、急遽「スーパーメガウェンディーズ」を21日から限定的に再発売することを決定。牛肉を300グラム使用した巨大なハンバーガーで、07年12月に発売された際には「マクドナルドのメガマック越える超特大ハンバーガー」として話題になった。価格は550円で、全国で販売するが「なくなり次第終了」としている。