日本銀行が2009年12月14日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でマイナス24となり、前回調査(9月、マイナス33)より9ポイント改善した。改善は3期連続ながら、改善幅は縮小した。
製造業の業種別では、自動車や電気機器、鉄鋼に非鉄金属など11業種で改善。非製造業の業況判断DIはマイナス22となり、前回9月調査(マイナス24)から2ポイント改善した。非製造業の改善も3四半期連続。エコポイント制度やエコカー減税など政府の景気刺激策が下支えしたほか、中国向けの輸出や生産の回復が景況感の改善に寄与した。
大企業の全産業DIは前回比5ポイント改善してマイナス23。中堅企業は同6ポイント改善のマイナス29、中小企業は同6ポイント改善してマイナス37だった。
また、3か月後(2010年3月)の先行きについての業況判断指数は、大企業製造業ではマイナス18。中堅・中小を含む全規模・全産業ではマイナス34。現状のマイナス32より小幅ながら悪化している。
なお、業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。調査期間は11月9日~12月11日。調査期間中に政府の「デフレ宣言」やドバイ・ショックによる円高の進行があった。こうした懸念材料は山積みで、景気の先行きについては円高や物価下落などを背景に慎重さが目立った。