「お客さんに余計なことをするな、と怒られた」
ところが港区食品広域監視係の職員によると、港区が鑑札を出さなったからといって弁当行商が大幅に減ったわけでもない。23区共通で、他の区で発行した鑑札を持っていればどこでも使える。当然、規制がゆるい区で申請すればいいと考える人もいるし、そもそも「鑑札」そのものを持っていない場合もある。
取り締まりを厳しくしても、弁当の行商が一向に減らないのは需要があるからだ。不景気で懐寂しいサラリーマンは、安い弁当に殺到する。
2010年1月から取り締まりを強化する中央区の食品衛生係の担当者も、
「行商では300円台から弁当を売っています。指導にいくと、お客さんに『余計なことをするな』と怒られたこともあります」
といい、なかなか規制は難しそうだ。